2010年9月14日
総合情報メディア・セキュリティ委員会制定
(趣旨・目的)
第1条 この運用指針は,愛知淑徳大学リポジトリ(以下、「リポジトリ」という。)の運用に関し、必要な事項を定めるものとする。
リポジトリは,愛知淑徳大学(以下、「大学」という。)において創生された学術成果(以下、「学術資源」という。)を収集し,恒久的に蓄積及び保存並びに学内外に無償で発信及び提供することにより,大学の学術研究の発展に資するとともに,研究機関としての社会的責任を果たすことを目的とする。
(定義)
第2条 この指針における用語の定義は,次に定めるとおりとする。
(1) リポジトリシステム:リポジトリを運用するための機器(サーバ等)及び関連ソフトウェアのこと。
(2) 送信:リポジトリシステムへ掲載した電子的な教育及び研究成果(以下、「学術資源」という。)を,電子的手段を用いて配信,伝送,公衆送信できる状態のこと。
(3) 公開:リポジトリシステムへ格納された学術資源を,リポジトリシステムの利用者が電子的手段を用いて閲覧又は受信できる状態のこと。
(4) 格納:学術資源をリポジトリシステムで公開,送信できる状態で記録すること。
(5) 複製:リポジトリシステムで公開しているデジタル化された学術資源が,ダウンロード又はバックアップ等によって電子的な複製物として記録・保存された状態にあること。
(6) 使用:大学が、リポジトリを運用するために学術資源を用いること。
(7) 利用:リポジトリシステムに格納された学術資源にアクセスし,これを閲覧し,ダウンロード又は複製すること。
(8) 利用者:リポジトリシステムを利用する者。
(管理運用)
第3条 リポジトリの管理運用は,総合情報メディア・セキュリティ委員会情報環境専門部会(以下、「部会」という。)において行うものとし、部会長を責任者とする。管理運用に関し必要な事項は,部会において決定するものとする。
(登録対象)
第4条 リポジトリに登録することができる学術資源は,次に掲げる要件を満たすものとする。
(1) 学術的価値を有するものであり,次に掲げる事項のいずれかに該当するものであること。
ア 紀要論文(学内学術刊行物に掲載されたもの)
イ 学位論文(博士論文)
ウ 学術論文(ア以外の学術雑誌に掲載されたもの,プレプリント,学会発表資料等)
エ 教育資料(講義資料,講演資料,歴史的資料等)
オ 報告資料(学術報告書、科学研究費補助金研究成果報告書,COE(Center Of Excellence)・GP(Good Practice)報告書等)
カ その他公開可能な教育・研究成果
(2) 原則として,内外の学術機関等により公表されたものであること。
(3) 大学の教職員又は学生がその主要な部分を作成したものであること。
(4) 知的財産権に係る法令等,学会等の投稿規約等,商業出版社との契約条項等の問題が生じないものであること。
(5) 公開することについて、倫理上その他の問題が生じないものであること。
2 前項の規定にかかわらず、大学においてリポジトリに登録できるものは、当分の間学内学術刊行物に掲載された教育研究論文及び抄録等並びに博士学位論文に限定する。
(登録者)
第5条 リポジトリに学術資源を登録できる者(以下、「登録者」という。)は,次に掲げる者とする。
(1) 学内学術刊行物に教育研究論文及び抄録が掲載された者
(2) 大学において博士の学位を取得した者
(3) その他部会長が認めた者
(登録及び登録の代行)
第6条 登録者は,登録システムを通じて自らが作成した,又は作成に関わった学術資源の登録を行うものとする。ただし,リポジトリ担当者は,著作者の依頼により,その登録手続を代行することができる。
2 リポジトリ担当者は,登録の申請をされた学術資源について,著作権その他の権利の帰属及び制限等を調査して登録の可否を判断し,次に掲げるとおり取り扱うものとする。
(1) 公開に支障がないと判断した場合,学術資源等のタイトル,著者名等を確認した上で,リポジトリに登録し,リポジトリシステムで公開する。
(2) 公開に支障があると判断した場合,登録者に登録できない旨を通知する。
3 第1項の規定にかかわらず、当分の間登録手続きはリポジトリ担当者が行う。
(登録された学術成果の使用)
第7条 大学は,次に掲げる方法により,リポジトリに登録された学術資源を使用することができる。
(1) 当該学術資源を複製し,リポジトリシステムに格納すること。
(2) ネットワークを通じて前号の複製物を不特定多数に無料で公開し,電子的手段により送信し,又は公衆送信可能な状態に置くこと。
(3) 保存及び使用の維持のための複製・媒体変換を行うこと。
2 大学は,リポジトリに登録された学術資源の使用に当たり,次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 前項に掲げる方法以外による使用は行わないこと。
(2) ネットワークを通じて当該学術資源を利用する者に対し,著作権法(昭和45年法律第48号)に規定する私的目的での複製,引用等の権利制限を超えて利用しようとする場合,著作権者,著作隣接権者その他の関連する権利者の許諾を得なければならないことを周知すること。
(学術資源の著作権,その他の権利及び利用許諾)
第8条 学術資源の著作権その他の権利が登録者にのみ帰属している場合,登録者は,大学に対し,第7条第1項に規定する方法により当該学術資源の使用を無償で許諾するものとする。
2 学術資源の著作権,出版契約上の出版者の債権その他の権利が登録者を含め複数の者に帰属している場合,登録者は,大学に対し,第7条第1項に規定する方法により当該学術資源の利用を無償で許諾することについて,他の著作権者(共著者),編集者,監修者,著作隣接権者その他の関連する権利者(権利者が死亡しているときはその者の相続人,権利の譲渡がある場合にはその権利の譲受人)から同意を得なければならない。ただし,これらの権利者等から同意を得ないで学術資源の登録をしてもこれらの権利者の法的利益を何ら損なうことがない場合には、この限りでない。
3 学術資源の著作権その他の権利が登録者以外の者に帰属している場合(著作権の譲渡,相続等),当該権利に担保権が設定されている場合,当該権利が民事執行法に基づき差し押さえられている場合,当該権利について仮処分命令または仮差押命令が発せられている場合又は当該権利が破産財産を構成する場合等においては,登録者は,大学に対し,第7条第1項に規定する方法により当該学術資源の利用を無償で許諾することについて,著作権者の譲受人,担保権者,差押債権者又は破産管財人その他の適法に処分権又は管理権を有する者から同意を得なければならない。ただし,これらの権利者等から同意を得ないで学術資源の登録をしてもこれらの権利者の法的利益を何ら損なうことがない場合又は著作権者その他の関連する権利者があらかじめ許諾の方針を示している場合には,この限りでない。
4 学術資源がリポジトリに登録された後も,当該学術資源の著作者の著作者人格権が損なわれ又は制限を受けることはない。
5 第2項及び第3項において,登録者自らが当該学術資源について正当な権利を有する者から許諾を得ることが困難な事情がある場合、学術資源にかかる権利の有効性,帰属,範囲または内容につき紛議がある場合,複数の権利が錯綜しその権利状態が明瞭ではない場合,訴訟係属中である場合又は遺産分割未了の場合を含め当該権利の帰属等が法的に浮動的な状態にある場合には,権利の帰属等について法的に確定した状態となるまでは,当該学術資源をリポジトリに登録してはならない。
(学術資源登録の拒絶)
第9条 大学は,次に掲げる事由がある場合には,学術資源をリポジトリに登録することを拒絶できる。
(1) 学術資源の内容が他の者に帰属する著作権その他の権利を侵害する場合。
(2) 学術資源が犯罪を構成する場合。
(3) 学術資源が公序良俗に反する内容を含む場合又は社会的にみて著しく不適切な内容である場合。
2 前項により登録を拒絶した場合には,大学は登録者に対して遅滞なく通知するものとする。
3 第1項により登録を拒絶された者は,拒絶の理由を文書で示すよう部会長に対して請求することができる。
(学術資源公開の停止)
第10条 大学は,次に掲げる場合において,リポジトリに登録された学術資源の公開を停止することができる。
(1) 登録者が理由を付して公開の停止申請を行い,当該停止申請を部会長が承認した場合。
(2) 盗用又は剽窃による成果である,又は内容が著しく不適切である等の理由により,部会長が公開の停止を決定した場合。
2 リポジトリに登録された学術資源が仮処分中である場合は,公開を一時的に停止することができる。
(著作者の責任)
第11条 登録された学術資源の内容に関しては,著作者が責任をもつ。
(苦情・告発処理)
第12条 利用者その他の者からリポジトリに登録・公開されている学術資源に関する苦情等の申し出があった場合,著作権及び著作隣接権に関する紛議が生じた場合、その他リポジトリに登録されている学術資源の公開を継続すべきかどうかについて疑義が生じた場合等においては,情報環境専門部会において協議し,適切に対応するものとする。ただし,情報環境専門部会は,定型的に対処可能な事柄に関しては,その範囲及び対応のあり方について内規等を定めた上で,個々具体的な対応を部会長に委任することができる。
2 苦情等の受付窓口及び協議結果の通知方法等に関しては,別に定める。
(個人情報の取り扱い)
第13条 個人情報の取り扱いに関しては,別に大学の定める規程に従わなければならない。
(その他)
第14条 この指針に定めのない事項については,必要に応じて情報環境専門部会において決定する。
2 この指針を改正する場合は,総合情報メディア・セキュリティ委員会の承認を得るものとする。
(附則)
この指針は,2010年10月 1日より施行する。
愛知淑徳大学リポジトリ運用指針.pdf